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「文香(ふみこう)」について
先日、本を読んでいたら、「文香(ふみこう)」というものが出ていました。
日本古来のおもてなしの一つとして、そこはかとなく香るお香は、心穏やかに品の良さを感じさせますよね。最近では、アロマとか西洋の香りも人気ですが、やはり、そこは日本人。お香に興じる心を養ってみたいものです。今回はお香について話をしてみようと思います。
先ほどの「文香」というのは、大切な方に送る手紙の中に一緒に入れる匂い袋のようなものです。栞のようなタイプもあるし、今ではシールタ イプのものもあります。でも、自分で作ってみるという方法もあるんですよ。和紙を用意して、自分の好きな形に2枚切ります。1枚の上に粉状のお香を少し入 れて、もう1枚の和紙に糊をつけ、2枚を張り合わせれば出来上がりです。自分の好きなお香で、手作りの文香…。どんなメッセージよりも素敵な思いが込めら れているようですよね。
お香は、匂いを嗅ぐのではなく、「お香を聞く」と言うこと。ご存じでしたか。日本の文化の深さを感じさせる言葉ですよね。
いにしえの人たちは、衣服に香を焚き「移り香(うつりが)」を楽しんだり、部屋に香りを焚き「空薫(そらだき)」で、心豊かな気持ちを味わったりしてきました。
お香は焚いて、香りを楽しむものですが、「香道」という文化があって、自分たちで持ち寄ったお香を聞きくらべたり、同じ香りを聞きあてたりする戯びもあ り、「茶道」、「華道」、「香道」をもっておもてなしの基本というところもあるほど、お香は日本の大切な文化なんですよね。
こんな話をしている と、その時代へタイムスリップしてしまいたいと思います。何もない時代の中で、心豊かに自分たちの生活を楽しむって本当に素晴らしいことで、これこそ日本 文化の神髄なのかもしれません。物があふれる今、本当に必要な物さえも忘れてしまったようにみえるのは、私だけでしょうか。
これからも、こんな日本らしい姿を、取り戻したいという思いで、いろいろな季節感や伝統的な日本を話していきたいと思っています。