blog

日本って、深くて趣深いです

皆さんは、「重陽の節句」ってご存知でしょうか。

ピンとこない方も5節句という言葉は聞いたことがあるかもしれません。

 

1月7日の七草の節句、3月3日のももの節句、5月5日の端午(菖蒲)の節句、

7月7日の七夕、9月9日の重陽の節句が5節句と言われているものです。

重陽の節句以外は、普段でも耳にしたり、テレビのニュースでも季節の話題として取り上げられたりしていますよね。

でも、重陽の節句だけは、日常から取り残され、忘れられてしまったようです。

重陽の節句というのは、菊の節句とも呼ばれています。

中国では、奇数の月の数字と日の数字が重なる日はめでたい日(重日)と考えられていて、

陽(中国では奇数という意味)で一番大きな9の付く9月9日は、重陽と言います。

旧暦では、9月9日ですが、現在の暦で言えば、重陽の節句は10月中頃から11月。

ちょうど菊の咲く頃だったのです。

宮中では、菊を愛でる会が開かれ、この頃に菊まつりなどが各地で開かれるのも、この名残だそうです。

 

最近では、海外から華やかできらびやかな花がたくさん入ってきて、菊のイメージはなんとなく地味だったりしますが、

平安の時代からこんなに素敵な節句があることを知ると、菊に対する思いもまた、新しいものになりそうです。

 

立春や夏至、霜降と言った24節気や55節句の他にも雑節と言われる土用や節分、彼岸、入梅などという言葉もあります。

日本っていいですね。

季節を愛でる言葉やしきたり、文化がこんなにたくさんあるのですから。

月や太陽、花や風、暑さ、寒さで日本を感じる…。

 

日本人が昔から感じてきた何かをどこかで、ふと考えてみるのも、趣深く、感慨深いものです。
 

DSC_1634.JPG